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ラノベの感想とか(予定)

『ギャルスレイヤーだけどギャルしかいない世界に来たからギャルサーの王子になることにした』 白乃友 HJ文庫

ギャルスレイヤーだけどギャルしかいない世界に来たからギャルサーの王子になることにした (HJ文庫)

 HJ文庫の『ギャルスレイヤーだけどギャルしかいない世界に来たからギャルサーの王子になることにした』読みました。

 

 HJ文庫公式サイトのあらすじがおもしろく、それ以上まとめられそうにもないのでそのまま載せます。

《あらすじ》

 伝説的カリスマギャルを姉に持つ奈々倉瑠衣。姉への複雑な思いはいつしか怒りに変わり、漆黒の『ギャルスレイヤー』として渋谷・原宿に降臨するようになる。ある日、願いが通じたのか突然渋谷・原宿が滅亡した・・・・・・。1台のプリクラ機を残して。ギャルの聖地化した『神のプリクラ』を破壊すべく三号玉の花火を持ち、原宿に立つギャルスレイヤー。しかし誤って自分に発射してしまい瑠衣は命を落としてしまう。その後転生をした瑠衣が目覚めたのはギャルしかいない異世界「サヴァンギャルド」だった。

 

 

 あらすじがこれだけ訳のわからないおもしろさに満ち溢れているので、読む前は正直出落ちなんじゃないか、あらすじが一番おもしろいパターンではないかと危惧していたんですが杞憂でした。めちゃくちゃおもしろかったです申し訳ございません。前半はカオスな世界観とキャラクターたちがとにかく楽しく、後半は真面目になり特に九章あたりからラストまでの展開と怒涛の伏線回収が素晴らしかったです。あらすじからは想像できないくらいきちんとした小説で感動しました。

 

 また文章の綺麗さも魅力で、その場面や心情が映像としてイメージしやすく、著者の表現力の高さを感じました。ちょくちょく挟まれるギャルに絡めた小ネタもおもしろかったです。

 

 過去に姉弟間でのすれ違いがあり、姉がギャルだったために主人公の憎しみの対象が姉そのものではなくギャルになってしまったという設定なので、メインはギャルの話ですが、核になるのは姉弟の話だったのかな思います。

 

 ところで題名にあるギャルサーの王子って何だったのか。小説の本文中に、王子はちょっと出てきたけどギャルサーの文字は一回も出てきてないので謎。

 

 個人的には、奇抜な設定と確かなストーリー構成が組み合わさった、「正にラノベ」という感じの作品だと思いました。おすすめです。