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『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう』 秀章 角川スニーカー文庫

サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう (角川スニーカー文庫)

 角川スニーカー文庫の『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう』読みました。

 

 男4人、女1人の冒険者“旅団(サークル)”に、迷宮に封印されていた美少女のクリスティーナが加入することで人間関係が壊れていくという話です。

 

 

 著者は秀章さん。デビュー作の『脱兎リベンジ』(ガガガ文庫)は青春のドロドロとした感じとカタルシスが味わえるとても面白い作品なので、そちらもおすすめです。

 ずっとガガガ文庫で青春ものを書いている作家さんという印象でしたが、今作はスニーカー文庫から出ていて、ジャンルはファンタジーです。

 

 「コネクテル」というスマホのようなものがあったりする現代風のファンタジー世界で、「七氏族軍資」という伝説の財宝を追い求めて、冒険者たちが旅団(サークル)を組んで旅をしているという設定です。その中でも「軍資に一番近い旅団」と呼ばれる旅団に所属している白魔術師のユーリが主人公です。

 ある日ダンジョンで見つけた水晶の封印を解くと、封印されていたのは記憶喪失の美少女クリスティーナで、彼女は旅団に加入します。無自覚に可愛さを振りまくクリスティーナにサークルの男たちは弄ばれて人間関係がめちゃくちゃになっていきます。

 

 主人公はクリスティーナに恋心を抱くけれど、白魔術師は恋愛が禁じられていることによる葛藤、サークルの他の男もみんな彼女に惚れていることが次々発覚していくところなんかが読んでいておもしろかったです。

 

 誰が悪いというわけではないけれど、クリスティーナ含めパーティ全員どこか性格悪いっていうのがキャラクターに関しての感想です。主人公はいちばんまともでした。

 

 帯の折り返しには「昼ドラ系ドロドロ恋愛コメディ!」と書かれていましたが、ドロドロしすぎない感じで読みやすくまとまっていると思います。おもしろかったです。R_りんごさんのイラストも雰囲気にぴったりでした。

 

 タイトルも回収したしきれいにオチもついているので1巻完結でもいいと思っていたのですが、2巻が出ることが決まったようなので、ここからどう続いていくのか楽しみです。おすすめです。