ブログ 回るメロンパン

ラノベの感想とか(予定)

【連動企画】夏に読みたいラノベ

 今回は連動企画の記事です。ほかのライトノベル系のブログやバーチャルyoutuberをやっておられる方々と、同じテーマで同時に記事や動画を投稿します。ありがたいことに、「本達は荒野に眠る」というブログをやっておられる夏鎖芽羽さんにお誘いいただいて、参加することになりました。

 

【連動企画】参加者(敬称略)
ブログ
・「本達は荒野に眠る」 http://blog.livedoor.jp/you1869/archives/1072227959.html
・「羽休みに娯楽を」 https://bit.ly/2vCHvbx
・「赤の魔道書」 http://yuugiou.link/archives/19448
・「読書ネタバレ感想記」 https://dokusyo-netabare-kansouki.com/2018-summer-project/

Vtuber
・本山らの https://www.youtube.com/watch?v=DYPUfkNQ1wQ

・私(積読塔のラン) https://youtu.be/jnTjMeH2xn0

 

さて、お題は「夏に読みたいラノベ」です。暑いですからね。クーラーのきいた家なり図書館なりにこもって読書するには最適の季節だと思います。でも夏といってもなかなか幅広いので、当ブログではもっと細かく、夏によくあるシチュエーション別に読みたいラノベを挙げてみようと思います。

 

 

 1つめのシチュエーションはこれです。

「夏休みに入ってつい夜更かしが続いてしまい、生活リズムが狂う」

 人によって程度の差はあるんでしょうけど、よくあることだと思います。僕も今、朝の6時に寝て夕方の6時に起きています。そんな眠れない夜に読みたいラノベはこれです。

『ヴァンパイア・サマータイム

ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)

 みんな大好き石川博品

 人間と吸血鬼が半々の世界で、活動時間が昼と夜に分かれているけど同じ高校に通う人間の男の子と吸血鬼の女の子の恋愛を描いた作品です。おもしろいのは、人間と吸血鬼が、こういうカップルが本当にいるんじゃないかって思うくらいリアルで、普通に恋愛しているところです。この世界では吸血鬼は特別な存在ではないので夜間に普通に学校に通っていますし、登場人物が交わす会話の中身とか冗談もすごく普通の高校生っぽいと思いました。コンビニのバイトと客でしかなかったふたりが接点を持つきっかけも、交差点でばったり出会ったっていうだけで、それからなんとなく話すようになって、ちょっとづつ距離を縮めていきます。

 話は二人の視点が入れ替わりながら進んで行きます。ふたりの感情とかすれ違いみたいなのがきめ細かく書かれていて、初々しくてすごくリアルに感じて素敵でした。普通の恋愛のように見えるからこそ後半の、種族の違いを意識させられるシーンはすごく胸にきて。終わり方もきれいで、本当に美しい作品でした。

 この世界のどこかでは本当にこういうことが起きているんじゃないかとか、これは単巻ですが、ふたりのその後のこととかを考えていると眠れるかもしれませんし、夜中にコンビニに行きたくなるかもしれません。

 

 続いて2つめ。

「夏休みの課題がいっぱい出た。やらなければいけないことが多すぎて、逆にやる気が出ない。」

 よくあると思います。ライト文芸もOKとのことだったので、これはそんなときに読めばなんとなく勉強した気になれそうな、数学を題材にした作品です。

『青の数学』

青の数学 (新潮文庫nex)

『青の数学2』

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

 数学に青春をかける高校生のお話です。

 数学が好きな高校一年生の主人公が、偶然、数学オリンピックを2年連続で制覇している女の子に出会うところから始まります。その女の子は主人公に「数学って、何?」と問いかけます。主人公は答えられないんですけど、その問いをきっかけとして数学にかける青春がはじまります。「E²」という数学の問題を解いて戦うネット上の空間で熱い勝負を繰り広げたり、夏にはみんなで同じ問題に挑む合宿に参加したりします。そうやって数学への考えかたがそれぞれ違う登場人物たちと関わる中で、はじめの質問はいろいろな問いに派生していきます。「なぜ数学をするのか」「本気で数学をやる覚悟があるのか」「やり続けた先に何があるのか」「数学で戦うことの意味」etc……。それらの問いに向き合って成長した主人公が、2巻の最後で初めの質問に答えます。その結論はシンプルなんですけど、そこまでこの小説を読んできた上でならすごく納得できます。

 小説を読んで勉強した気になっても別に何も解決しないんですけど、これを読んで、主人公たちのなにかにすごく打ち込んでいる姿を見るとやる気が出るかもしれません。数学の宿題か、読書感想文なら。

 

 3つめ。最後です。

「特に予定もない昼下がりに、暇を持て余して携帯をいじっていた。LINEを開いて誰からも遊びに誘われていないことを確認して、なんとなくタイムラインを見てみると、友達がプロフィール画像を変更していた。海の写真で、いつも遊んでいる顔ぶれの自分を除いたみんなが写っていた。」

 よくあります。よくありますよね? 

なんかもやもやした感情を抱えることになります。今、彼らは海にいるはずなので、そんなときは海で何か事件が起こるラノベを読むとすっきりすると思います。

『魔法医師の診療記録』

魔法医師の診療記録 (ガガガ文庫)

魔法医師の診療記録4 (ガガガ文庫)

 全7巻で、4巻が海のお話です。

 色々なジャンルや要素が混ざっていて、説明が難しい作品です。

 教会によって魔法が迫害されているファンタジー世界で、魔法医師と看護師の主人公2人組が旅をしながら、人間が吸血鬼や狼男などの怪物になってしまう病気〈妖病〉(ダミナム・ミナトウム)を治療していくお話――なんですけど、2巻ではカオスな能力バトル、3巻は館もののミステリ風、5巻が時間SF、6巻は冒険小説のようになります。医療を軸にいろいろな方向に広がっていくのがこのシリーズの魅力です。

 もうひとつのおもしろいところは、教会の異端審問官たちとのバトルで彼らが使ってくる奇天烈な技です。本当に奇天烈で、相手の剣を右脳と左脳で挟んで受け止める〈真剣脳髄捕り〉とか、体が真ん中でパカっと開いて全方位の攻撃に対応できるようになる〈肉蝶番〉とか。著者の手代木正太郎さんの発想がとにかくぶっ飛んでいます。

 海回の4巻は、砂漠に塩水が湧きだして海のようになって、近くの町の住人に体がウニとかナマコとか魚などの海洋生物に変わっていく謎の病気が流行り始め、主人公たちがその病気の正体や治療法を探していく話です。もちろん途中でバトルもありますし、クトゥルフ要素があったり、疑似科学が多数登場したり、すごい敵が現れたりしてとてもカオスなんですけど、最後にはSF的な方向ですごくきれいにまとまっていきます。病気の正体は本当に衝撃でした。医療をもとにしたいろいろなアイデアが組み込まれていて楽しい作品なので、海に誘われなかったことも忘れて読書に熱中できると思います。

 

 もしこの夏上記のシチュエーションが起こらなくても、どの作品もおもしろいので、気になったものがあればぜひ読んでみてください。おすすめです。どうか皆様は素敵な夏をお過ごしください。